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建設業の採用を成功させる方法|人材難時代の対策と媒体選び

建設業の採用アイキャッチ

「求人を出しても全然応募が来ない…」ということはありませんか?

「建設業で人が集まらない」と悩んでいる方は多いです。求人倍率が高く、応募があってもすぐ辞めてしまうなど、採用の難しさを痛感しているのではないでしょうか。

そこで、今回は建設業における採用の課題と12の具体的な採用方法について解説します。

この記事を読めば人材が集まりにくい原因と、採用成功のための具体策がわかるので、ぜひ最後まで読んで学んでください。

建設業界の採用が難しい背景

建設業界は長年にわたり慢性的な人手不足に直面しており、特に若年層の入職者が減少し続けていることから採用はますます困難になっています。

ここでは、有効求人倍率や離職率、若者離れといった複合的な要因から、建設業の採用がなぜこれほど難しいのかを紐解いていきます。

有効求人倍率の高さが示す人材争奪の実情

建設業界における人手不足は、有効求人倍率の数字にも如実に表れています。

2024年5月時点で全産業の平均有効求人倍率は1.26倍であるのに対し、建設業では5.11倍と大きく上回っており、1人の求職者を5社以上が取り合う状況となっています。

このように極端な売り手市場では、求人情報を出すだけでは人が集まらず、魅力的な条件や採用戦略がなければ応募すら来ないというのが現実です。

また、多くの企業が同様の悩みを抱えており、採用競争は激化の一途をたどっています。

中小建設会社や地方の企業ほど不利になりやすく、都市部や大手企業に人材が集中してしまう傾向があるのも課題です。

採用を成功させるには、このような市場環境を正しく理解し、他社との差別化を明確に打ち出す必要があります。

離職率が高く、定着しづらい業界構造

建設業界では、入職してもすぐに辞めてしまうケースが少なくありません。

実際、令和4年の雇用動向調査では離職率が10.5%とされ、入職率の8.1%を上回っています。

背景には、長時間労働や不規則な勤務体制、天候に左右されやすい現場環境といった厳しい労働条件があり、これが定着率の低さにつながっています。

さらに、現場によっては人間関係のストレスや安全面の不安もあり、「思っていたよりもきつい」と感じて離職する若手も多いのが現状です。

ただし、近年は働き方改革の影響もあり、週休二日制やICT導入などの労働環境改善に取り組む企業も増えつつあります。

定着率を上げるには、採用後のフォロー体制や働きやすい環境づくりも採用戦略とセットで考えることが重要です。

若者離れと高齢化の進行

建設業界では、若年層の就業者が減少し続けており、同時に高齢化が深刻化しています。

55歳以上の就業者割合が他業種よりも高く、技術を支えるベテラン人材が徐々に引退していく中で、次世代の担い手が不足しているのです。

その背景には、「3K(きつい・汚い・危険)」といったネガティブな業界イメージが根強く存在しており、若者にとって魅力的な職場に映りにくいという問題があります。

さらに、作業が屋外中心で気候の影響を受けやすいことや、休日が取りづらいという労働環境の不透明さも若者を遠ざける要因となっています。

このまま若手の採用が進まなければ、現場のノウハウや技術の継承が断絶するリスクも高まります。

若者に対しては、働きやすさやキャリア形成の可能性を具体的に伝える情報発信が求められています。

SNSや動画を活用し、リアルな職場の魅力を可視化する取り組みも効果的です。

 

建設業の人材を確保するための採用戦略

建設業界の人材不足を解消するには、従来の採用手法だけでなく、時代に合った柔軟な戦略が不可欠です。

以下では、具体的なターゲット設定や職場環境の改善、採用手法の選び方など、採用成功につながる戦略を詳しく解説します。

ターゲットを明確にする

採用戦略の第一歩は「どんな人材を採用したいのか」を明確にすることです。

「若者なら誰でも」「経験者ならOK」では、かえって訴求力が弱まり、的を絞った採用が難しくなります。

建設業界では、若年層の確保と即戦力人材の獲得の両軸が必要です。

たとえば若手であれば、未経験でもポテンシャルを重視し、将来を見据えて育成する前提で採用します。

一方、即戦力を求める場合は、「一級建築士」「施工管理技士」「CADの操作スキル」など、具体的なスキル・経験を明記した求人を出すことでミスマッチを防げます。

また、応募者目線で「自分に合う職場だ」と感じてもらえるように、年齢層やキャリア形成の支援体制なども明示すると効果的です。

誰に来てほしいかを明確にすることで、求人広告や採用ページの設計にも一貫性が生まれ、集客力が高まります。

労働環境を改善し、魅力を打ち出す

「建設業はきつい・汚い・危険」という3Kのイメージを払拭しなければ、採用の裾野は広がりません。

そこで重要なのが、労働環境の改善と、その魅力をしっかり打ち出すことです。

たとえば、ICTの導入により作業効率を向上させたり、施工管理アプリによって事務作業を効率化したりといった取り組みは、若手にも響くポイントです。

週休二日制や残業削減、有給取得の促進など、「働き方改革」に積極的に取り組んでいることを伝えると、応募者に安心感を与えられます。

さらに、労働災害の減少傾向や安全教育の実施など、「安全に働ける環境」であることをアピールすれば、家族を持つ中堅層の応募意欲も高まるでしょう。

企業文化として、若手の意見を取り入れる風通しの良さや、資格取得支援制度、キャリアアップの実績なども、働きがいを感じさせる要素です。

これらを積極的に発信することで、「建設業でも安心して働ける」イメージを広げることができます。

求人媒体を使い分ける

効果的な採用には、求人媒体の選定と使い分けも重要です。媒体ごとに特性が異なるため、ターゲット層や予算、スピード感に応じて選びましょう。

総合型求人サイト

幅広い層にリーチできるのが、総合型の求人サイトです。

特に掲載課金型は、決まった期間で広告を打つ場合に適しており、ブランド認知にもつながります。

一方、成果報酬型は、実際の応募や採用成立を基準に費用が発生するため、コストリスクを抑えたい中小企業に向いています。

無料型も存在し、露出は劣るものの、複数媒体と併用しやすい点が魅力です。

建設業特化型求人サイト

建設業専門の求人サイトは、業界経験者や資格保有者の登録が多く、より精度の高いマッチングが期待できます。

建設業ならではの職種やスキル要件に対応した検索軸があるため、即戦力を求める企業には最適です。

利用者数は総合型より少ない傾向にありますが、質の高い人材に出会える可能性は高まります。

ハローワーク・自社サイト・SNSなど

ハローワークは無料で利用できる公的サービスで、地域密着型の採用に強みがあります。

採用予算が限られている場合や、地元での定着を重視する場合に効果的です。

また、自社ホームページで採用情報を公開する「オウンドメディアリクルーティング」や、SNSを活用した情報発信も近年注目されています。

企業の雰囲気や職場のリアルな様子を伝えることで、求職者の不安を解消し、エントリーにつなげやすくなります。

このように、求人媒体は単独で使うよりも、複数の手段を併用し、それぞれの強みを生かす戦略が求められます。

 

建設業におすすめの採用方法12選

建設業界で人材を確保するためには、従来の求人広告にとどまらず、多様な採用チャネルと戦略を組み合わせることが重要です。

ここでは、建設業に特化したおすすめの採用方法を12個に厳選し、それぞれの特徴と活用ポイントを詳しく紹介します。

おすすめの採用方法12選
  1. 総合型求人サイトの活用
  2. 建設業特化型求人サイト
  3. ハローワークでの求人掲載
  4. 自社ホームページでの採用ページ設置
  5. 建設系人材紹介会社の利用
  6. 高校・専門学校との連携
  7. 現場スタッフからの紹介(リファラル採用)
  8. インターンシップ・職場体験の実施
  9. ソーシャルリクルーティング(SNS活用)
  10. 外国人技能実習生・特定技能人材の受け入れ
  11. 採用イベント・合同企業説明会への参加
  12. ダイレクトリクルーティングの導入

①総合型求人サイトの活用

リクナビNEXTやマイナビ転職などの総合型求人サイトは、幅広い求職者にリーチできる定番の採用チャネルです。

職種別・地域別で検索できるため、全国展開している建設会社や、地方採用を行う企業にも適しています。

掲載型であれば自社の魅力を自由に打ち出すことができ、スカウト機能などを活用すれば、こちらから求職者にアプローチすることも可能です。

特に20代〜40代の転職希望者が多く集まるため、現場経験者や施工管理職の補充にも向いています。

ただし、他業種と比較して建設業の求人は競争が激しく、応募数が伸びにくいこともあるため、原稿の見直しやPDCA運用が求められます。

②建設業特化型求人サイト

建設業に特化した求人サイト(例:建設求人ナビ、現キャリ、建職バンクなど)は、業界経験者や資格保持者をターゲットとした採用に非常に有効です。

これらのサイトでは、施工管理、現場監督、測量士など専門職に特化した検索機能や、業界用語を前提とした求人フォーマットが整っているため、経験者の目に留まりやすい特徴があります。

また、「1級・2級施工管理技士保有者向け」など、ターゲットを絞った募集ができるため、即戦力採用にも最適です。

掲載料はやや割高になる場合がありますが、ミスマッチが少なく、早期戦力化につながりやすい点が魅力です。

③ハローワークでの求人掲載

ハローワークは無料で求人を掲載できる公的機関で、建設業においても一定の効果が期待できます。

特に地域に根ざした採用を重視する企業や、シニア・未経験者を対象とした募集には向いています。

職業訓練校からの紹介や、地元企業への就職を希望する求職者が多く利用しているため、地方の中小建設会社にとっては貴重なチャネルです。

一方で、ハローワーク経由の応募者には、建設業に対する理解が浅い場合もあるため、採用後の教育・定着支援が重要になります。

求人票の記載内容を具体的かつ丁寧にすることで、ミスマッチを防ぐことができます。

④自社ホームページでの採用ページ設置

オウンドメディアとしての自社ホームページに採用ページを設置するのは、長期的に有効な採用手法です。

応募者が会社名で検索した際に訪問する機会が多く、企業の雰囲気やビジョン、社内制度などを直接伝えることができます。

「社員インタビュー」「1日の流れ」「職種紹介動画」などを掲載すれば、現場のリアルな姿が伝わり、求職者の不安を軽減できます。

また、自社運営であれば更新が柔軟に行えるため、採用強化期間や急募案件などの情報もタイムリーに発信可能です。

SEOを意識してページを構成することで、Google検索からの流入も期待できます。

広告費を抑えながら、ブランディングと採用を同時に進められる手段としておすすめです。

⑤建設系人材紹介会社の利用

建設業専門の人材紹介会社(例:RSG建設、ヒューマンタッチなど)は、施工管理技士や建築士といった専門職の紹介実績が豊富で、高スキル人材の獲得に有効です。

登録者は基本的に面談済みの求職者であり、職歴やスキルが整理されているため、選考がスムーズに進みやすい点が特徴です。

紹介料は採用者の年収の20〜35%程度が相場ですが、採用にかかる手間やミスマッチのリスクを軽減できるメリットがあります。

また、採用のプロが間に入るため、条件調整やスケジュール調整も任せられ、社内リソースが限られている中小企業にもおすすめです。

⑥高校・専門学校との連携

建設業界では、技術系高校や建設系の専門学校とのパイプづくりが有効な人材確保手段の一つです。

若年層の職業選択に直接働きかけられるため、将来の戦力を確保するうえでも重要です。

企業説明会や現場見学、インターンシップを通じて、自社の魅力をアピールすることで、卒業後の入社につながりやすくなります。

また、学校側と関係性を築いておけば、毎年安定して新卒者を採用できるルートとして機能します。

ただし、若年層に対しては労働環境や安全対策、キャリアパスの提示が不可欠であり、「育成前提」での受け入れ体制の整備も求められます。

⑦現場スタッフからの紹介(リファラル採用)

既存社員や協力業者からの紹介による「リファラル採用」は、信頼性が高く、定着率の高い人材を採用しやすい手法です。

建設業界では特に「人脈」が強く働くため、過去の同僚や取引先関係者を通じての紹介が多く活用されています。

紹介者に対して報奨金(紹介インセンティブ)を設けることで、社内でも積極的に紹介が促進されます。

紹介された側も、すでに知っている人が社内にいることで安心感を持って入社できるため、早期離職のリスクが下がります。

ただし、紹介ばかりに頼りすぎると人材の多様性が損なわれる場合があるため、他の手法と併用するのが効果的です。

⑧インターンシップ・職場体験の実施

若手人材や未経験者に建設業の魅力を知ってもらう手段として、インターンシップや職場体験の導入も有効です。

特に施工管理や現場作業の職種は、実際に体験してみないとイメージが湧きにくいため、数日~数週間の短期インターンを行うことで、応募のハードルを下げられます。

受け入れ時には、仕事内容の説明だけでなく、社員との交流や現場見学、図面作成体験などを組み合わせると効果的です。

体験を通じて「この会社なら働いてみたい」と感じてもらえれば、採用につながる確率は格段に上がります。

⑨ソーシャルリクルーティング(SNS活用)

若年層を中心に、SNSを情報収集の手段として利用する傾向が強まっています。

企業のInstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなどで、現場の様子や社員インタビュー、採用情報などを発信することで、「親近感」や「信頼感」を高めることができます。

特に、動画を活用した現場紹介や働く人のリアルな姿を見せるコンテンツは、文章だけでは伝えきれない魅力を補完してくれます。

SNS経由で直接応募を受けることも可能な時代ですので、自社サイトと連携させながら「SNSでの存在感」を高めていくことが、今後の採用力向上につながります。

⑩外国人技能実習生・特定技能人材の受け入れ

慢性的な人手不足が深刻な建設業では、外国人材の受け入れも視野に入れるべき手法のひとつです。

技能実習生や特定技能制度を活用すれば、一定の技術を持つ外国人労働者を採用することができます。

外国人採用にあたっては、制度の理解や監理団体との連携が重要です。

また、言語・文化の違いを乗り越えるために、現場でのサポート体制や社内研修の整備も求められます。

適切な受け入れ体制があれば、意欲的に働く人材を中長期的に確保できる手段として機能します。

⑪採用イベント・合同企業説明会への参加

リアルな接点を作ることができる採用イベントや合同企業説明会は、特に新卒採用や若年層へのアプローチに適しています。

建設業界に特化した就職フェアなどでは、業界志向の高い学生と直接会話ができるため、動機づけしやすく、志望度を高められます。

その場で会社の魅力を伝えるプレゼン力も重要ですが、現場で働く社員が参加することで、よりリアルな会社の雰囲気が伝わります。

参加後は、フォローアップの連絡や個別説明会の案内をスピーディーに行うことで、歩留まりを高めることができます。

⑫ダイレクトリクルーティングの導入

求職者に企業側から直接アプローチする「ダイレクトリクルーティング」も、近年注目されている採用手法です。

ビズリーチやWantedly、doda Recruitersなどのプラットフォームを活用すれば、施工管理経験者や技術系人材に対してピンポイントでアプローチできます。

特に即戦力の採用やスピード感を重視する場合に効果的です。

プロフ検索機能により、勤務地・保有資格・希望条件などで絞り込みが可能なため、無駄な面接コストを減らせるのもメリットです。

自社で採用に関するリソースがある程度確保できる場合は、他の手法に比べて高い費用対効果が期待できます。

 

建設業の採用活動でよくある失敗とその対策

建設業における採用活動では、「応募が集まらない」「採用してもすぐに辞める」「ミスマッチが多い」など、現場や経営に大きな影響を及ぼす失敗が少なくありません。

以下では、実際に起こりがちな採用上の失敗事例と、それを防ぐための具体的な対策を解説します。

採用ターゲットが不明確で応募が集まらない

多くの建設会社で見られる失敗のひとつが、「誰に向けて募集しているのか」が不明確なまま採用活動を始めてしまうことです。

たとえば、「経験者歓迎」と打ち出しながら未経験者も応募できる構成になっていたり、「若手を採りたい」と言いつつ年齢制限が設けられていないなど、メッセージに一貫性がないケースがよくあります。

このような曖昧な募集条件では、求職者にとって「自分に向けた求人なのかどうか」が伝わらず、応募をためらわせてしまいます。

また、求人広告のターゲティングがズレるため、コストをかけても成果が上がりにくいという問題も発生します。

対策としては、まず「どんな人材が現場に必要か」「どの職種・年齢層・経験レベルを求めているのか」を社内で明確化し、採用ターゲット像(ペルソナ)を具体的に設定することが重要です。

そのうえで、求人内容や使用する媒体、表現方法を一貫性のあるものに調整することで、必要な人材に的確にアプローチできるようになります。

仕事内容や条件にギャップがあり早期離職される

採用時には問題なく内定・入社に至ったものの、数週間や数ヶ月で「こんなはずじゃなかった」と辞められてしまう…。

こうした早期離職の原因として最も多いのが、「事前説明と実際の仕事の内容にギャップがある」ことです。

建設業は、天候や現場事情によって拘束時間が長くなったり、体力的な負担が大きかったりすることも多いため、イメージと現実の差が生じやすい職種です。

それを事前にしっかり説明していないと、「聞いていた話と違う」と感じさせてしまい、モチベーションの低下や離職につながります。

このような失敗を防ぐには、面接時や採用説明の段階で、良い面だけでなく「きつい面」「現実的な業務内容」も含めて正直に伝える姿勢が求められます。

また、職場見学や先輩社員との交流の場を設けることで、実際の雰囲気を感じてもらうのも有効です。

入社後にギャップを感じさせない工夫が、長期定着に直結します。

求人広告だけに頼っている

求人広告に予算を集中しすぎるのも、よくある失敗のひとつです。

もちろん求人広告は有効な手段ですが、単体で使っただけでは「数を打っても反応が薄い」「他社と差別化できない」といった問題に直面することがあります。

特に建設業は、職種や条件が類似している他社も多いため、埋もれてしまう可能性が高いのです。

さらに、求人広告は掲載期間が終わると情報が消えてしまうため、継続的な母集団形成にもつながりにくいという弱点があります。

このような状況を改善するには、採用オウンドメディア(自社採用ページ)やSNS発信など、広告に依存しない採用チャネルを併用するのが効果的です。

採用情報や社員インタビュー、現場レポートなどを通じて「この会社の雰囲気や価値観が自分に合いそうだ」と感じてもらえれば、応募者の質・量ともに向上します。

自社メディアと広告のハイブリッド活用が、今後の採用活動では不可欠となります。

面接対応が属人的で判断基準がブレる

面接を担当する人の「感覚」や「印象」で採否を決めてしまうケースも、失敗の原因になりやすいポイントです。

特に小規模な建設会社では、社長や現場責任者がその場の判断で内定を出すことも多く、評価基準に一貫性がなくなってしまう傾向があります。

たとえば、ある面接官は「元気があって体力がありそうだから採用」と判断し、別の面接官は「落ち着いていて慎重な人がいい」と考えるなど、面接ごとに求める人物像が異なると、入社後のトラブルや早期離職につながりかねません。

このような属人的な判断を防ぐには、採用の評価基準や面接フローを標準化することが大切です。

具体的には、「この質問で何を見極めるのか」「合否をどう判断するのか」など、面接官向けのチェックリストや評価シートを用意すると、判断基準のブレを減らせます。

社内で面接官トレーニングを実施するのも有効です。

採用後のフォロー体制が不十分で定着しない

無事に採用できたとしても、入社後のフォローが不十分で「居場所がない」「仕事が覚えられない」と感じさせてしまうと、社員の定着は望めません。

特に建設業のような現場仕事では、初期段階での教育・声かけ・環境づくりが不十分だと、新人が孤立しやすく、短期間での離職につながる傾向があります。

また、「現場は忙しいから、あとは勝手に覚えてくれ」という放任的な体制では、本人の不安やストレスが高まり、せっかく採用した人材を失うリスクが高まります。

これは採用コストや教育時間の無駄にも直結します。

こうした失敗を防ぐには、入社初日から1週間・1ヶ月・3ヶ月といった節目ごとに段階的なフォロー体制を設けることが重要です。

たとえば、初日は歓迎の場を設けて社内ルールや業務の流れを丁寧に伝える、最初の1週間はOJT担当者がマンツーマンで指導する、1ヶ月後には面談を行って悩みを聞く、といった具体的な取り組みが有効です。

また、現場以外に相談できる窓口(例:人事担当や外部メンター)を設けておくと、定着率の向上に繋がります。

「採って終わり」ではなく、「採用後の育成」までをセットで設計することが、持続可能な採用活動には欠かせません。

 

まとめ

今回の記事では、建設業における採用について解説しました。

採用ターゲットを明確にし、実際の業務内容とのギャップをなくすことが定着の鍵です。

求人広告に頼りきらず、自社の魅力を伝える発信も併用しましょう。

採用後のフォロー体制も万全に整え、早期離職を防ぐことが重要です。