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建設業の求人に応募が来ない原因と対策を徹底解説

「人手不足で困っているのに、求人への応募が全然集まらず採用活動がうまくいかない」そんな悩みを抱えている建設業の経営者の方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は建設業の求人に応募が来ない原因と、今すぐできる具体的な対策について解説します。

この記事を読めば、なぜ応募が来ないのかが明確になり、求人票の改善点や採用成功のために何をすべきかがわかるので、ぜひ最後まで読んで学んでください。

建設業の求人に応募が来ない5つの主な理由

建設業界では深刻な人手不足が続いており、求人を出しても応募が集まらないケースが後を絶ちません。

その背景には業界特有のイメージや採用手法の見直し不足など、さまざまな要因が存在します。

ここでは、応募が来ない5つの主な理由を解説します。

3Kのイメージがいまだに根強い

建設業と聞くと「きつい」「汚い」「危険」という、いわゆる3Kのイメージが根強く残っているのが現状です。

とくに若年層や女性にとって、このマイナスイメージは大きな心理的障壁となっており、そもそも応募対象から外れてしまう可能性があります。

たとえ実際の現場が以前よりも安全で、働きやすく改善されていたとしても、その実態が伝わっていなければ意味がありません。

建設業界では、女性専用トイレの設置や、産休・育休制度の整備、作業の機械化による負担軽減など、確実に変化が起きています。

しかし、それを求人票や会社のWebサイト、SNSでアピールできていない企業も多くあります。

まずは、社内の取り組みを「見える化」することが必要です。

現場写真や社員インタビュー、制度紹介などを通じて、3Kのイメージを払拭し、魅力的な職場であることを訴求しましょう。

求人票に魅力がない・情報不足

求人票に掲載されている情報が簡素すぎると、求職者の興味を引くことができません。

仕事内容が「現場作業」や「施工管理」など一言で済まされていたり、給与や福利厚生の記載が最低限しかなかったりすると、働くイメージが持てずに応募をためらわれてしまいます。

求職者が知りたいのは、「どんな人と働くのか」「1日の流れはどうか」「どのようなキャリアが描けるのか」といった具体的な内容です。

にもかかわらず、曖昧で簡素な表現にとどめている企業が非常に多く見られます。

情報量の差は、応募数の差に直結します。たとえば以下のような項目は、すべて具体的に記載しましょう。

項目 求職者が知りたい内容 改善例
仕事内容 具体的な業務内容と1日の流れ 8:00朝礼→10:00現場点検→12:00昼休憩…
給与 どの程度もらえるか、昇給の有無 月給25万円〜35万円(昇給年1回)
福利厚生 働きやすさや制度 社宅あり・育児休暇・資格取得補助制度

これらの情報を充実させることで、「ここなら安心して働けそう」と思わせる求人票を作成することができます。

年齢制限や資格条件が厳しすぎる

応募者数を減らしてしまう原因として、過度な年齢制限や資格必須条件も挙げられます。

たとえば「35歳以下」や「1級施工管理技士必須」といった条件を設けてしまうと、せっかくの有資格者や経験者であっても応募対象から外れてしまいます。

確かに若手育成や即戦力を求めることは重要ですが、間口を狭めすぎると採用機会そのものを逃すことになります。

とくに、建設業はベテラン層の知見が価値を持つ業界でもあるため、年齢や資格を柔軟に捉えることが得策です。

また、資格取得を入社後に支援する制度を整えておくと、「未経験だけどチャレンジしたい」と考えている層にも響きます。

募集要項の記載を見直し、「応募しやすさ」を意識した求人票にすることで、母集団の形成がしやすくなるでしょう。

無料媒体や掲載場所が効果的でない

「求人は出しているのに応募がない」という場合、そもそも掲載媒体が求職者に届いていない可能性があります。

多くの企業がハローワークや無料求人サイトに頼りがちですが、これらの媒体は情報が埋もれやすく、条件の良い他社に埋もれてしまうことも少なくありません。

とくに若年層は、Indeed、求人ボックス、LINEキャリアなどのネット媒体を主に利用しています。

ターゲットに合った掲載媒体の選定と、広告としての見せ方が重要です。

また、有料広告を使えば上位表示やターゲット層への露出がしやすくなり、応募数アップにも直結します。

媒体ごとの主な特徴を以下の通りです。

媒体名 特徴 向いているターゲット
ハローワーク 無料だが情報が古くなりやすい ミドル層・地域密着型
Indeed 検索流入が多く露出力が高い 20代〜40代のネットユーザー
有料求人サイト 条件検索・写真掲載が充実 業界未経験者や若年層

会社の認知度が低く、信頼感がない

最後に大きな課題となるのが「会社の知名度と信頼感の不足」です。

知らない会社、情報が少ない会社に対して、求職者は応募することに不安を感じてしまいます。

企業のWebサイトが更新されていなかったり、SNSの発信がなかったりすると、「この会社大丈夫かな?」と敬遠される原因になります。

実際、応募者の多くは求人を見るだけでなく、会社のホームページやクチコミサイトもチェックしています。

にもかかわらず、企業情報や社風、社員の声などが一切掲載されていない場合は、信頼獲得の機会を逃しているのと同じです。

採用活動は求人票だけでなく、会社そのものの「広報活動」でもあります。

Webサイトには代表者のあいさつ、実績紹介、職場の雰囲気、社員の声などを掲載し、安心感を与えましょう。

SNSでは現場の様子や日常の出来事を発信し、親近感を育てる工夫も有効です。

信頼される企業としての「見せ方」を磨くことで、自然と応募数の増加につながります。

 

建設業の求人が来ない時に見直すべきポイント

求人に応募が集まらない場合、原因は求人票の内容や情報発信の仕方にあることが多いです。

ここでは、建設業の求人を改善するために見直すべき具体的なポイントを5つ解説します。

仕事内容の詳細を丁寧に伝える

仕事内容が曖昧で漠然としていると、求職者は応募を躊躇します。

「現場作業」「施工管理」などの一言では、具体的にどのような業務を行うのかが伝わらず、働くイメージが湧きません。

とくに未経験者や異業種からの転職希望者にとっては、仕事内容の不明瞭さは大きな不安要素です。

仕事内容は「1日のスケジュール」や「携わる工事の種類」「使用する道具やソフト」など、できるだけ具体的に記載しましょう。

また、現場作業以外にどのような付随業務があるか(例:打ち合わせ、報告書作成など)も記載することで、よりリアルな仕事像を伝えられます。

表や図解を用いて説明するのも効果的です。

たとえば以下のような1日のスケジュール例を記載することで、働く姿をより具体的にイメージしてもらえます。

時間帯 業務内容 備考
8:00〜8:30 朝礼・作業内容の確認 全員で共有・安全確認
8:30〜12:00 現場作業(配管設置) チームで作業
12:00〜13:00 昼休憩 現場休憩室あり
13:00〜17:00 午後の作業・片付け 日報作成あり

このように仕事内容を丁寧に伝えることで、求職者が安心して応募できる環境を整えることができます。

福利厚生・待遇面を明確にする

福利厚生は、求人票の中でも応募を左右する重要な要素です。

しかし多くの建設業の求人では、「各種保険完備」などの抽象的な表現にとどまり、具体的な内容が伝わっていないケースが目立ちます。

求職者は、自分がどのようなサポートを受けられるのかを知りたがっています。

そのため、以下のような具体的項目を明記することが重要です。

項目 具体的な記載例 補足
社会保険 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険 すべて記載
手当 通勤手当(月2万円まで)、住宅手当(上限3万円) 金額明記が信頼感につながる
資格取得支援 受験費用全額補助、講習費用会社負担 若年層に効果的
育児・介護制度 育児休業・介護休業取得実績あり 女性にも安心感

また、職場環境の快適さに関わる設備(冷暖房の有無、休憩室、ロッカーなど)もあわせて記載すると、より具体的な安心感を与えることができます。

給与設定の見直しと具体的記載

給与は応募するかどうかを決定づける最も重要な要素の一つです。

しかし、建設業の求人では「要相談」「能力に応じて決定」といった曖昧な表現が散見され、求職者の不安を招いてしまいます。

給与は最低額と最高額をはっきり提示し、さらに年齢や経験、保有資格ごとの目安も併記するのが望ましいです。

たとえば以下のように記載すると、求職者は自分の条件に合った給与イメージを持ちやすくなります。

職種・条件 月給目安 備考
未経験者(20代) 月給23万〜26万円 資格取得後昇給あり
経験者(30代) 月給28万〜35万円 施工管理経験3年以上
有資格者(1級施工管理技士) 月給35万〜45万円 即戦力として採用

また、「昇給制度」や「賞与の支給実績(例:年2回・計3か月分)」なども具体的に記載することで、長く働ける職場だという印象を与えることができます。

SNSや自社サイトでの情報発信強化

求人票だけでは伝えきれない会社の魅力を届けるには、SNSやWebサイトでの情報発信が欠かせません。

とくに若年層は、求人に応募する前に企業のSNSやホームページをチェックし、社風や雰囲気を確認しています。

たとえば、Instagramでは現場の様子や社員の働く姿を投稿し、X(旧Twitter)では日々の業務や社内イベントの報告、ブログでは採用に関するQ\&Aや制度の紹介など、媒体の特徴に合わせて発信を行いましょう。

SNS運用のポイントは「更新頻度」と「リアルさ」です。

実際に働く社員が登場する投稿は特に信頼性が高く、応募につながりやすくなります。

また、自社サイトでは以下の情報を網羅することが理想です。

掲載内容 目的 効果
代表者あいさつ 理念や方針の発信 信頼感の醸成
社員インタビュー 社内の雰囲気紹介 応募者に親近感を与える
業務紹介 仕事内容の理解促進 職務内容の明確化

求人票とWeb情報を一貫性のある内容にすることで、企業イメージを強化し、応募意欲を高めることができます。

写真や社員の声で働くイメージを伝える

テキスト情報だけでは職場の雰囲気や人間関係までは伝わりません。

応募者は「どんな人が働いているか」「自分がその中に馴染めそうか」を重視しています。

そのため、社員の写真やコメントを活用し、リアルな社内の様子を伝えることが非常に効果的です。

具体的には、以下のような写真や声をWebサイトやSNS、求人票に掲載することをおすすめします。

掲載内容 効果 ポイント
現場作業中の写真 仕事の様子がイメージできる 笑顔・安全装備を意識
社員インタビュー 働きがい・雰囲気が伝わる 経験談ややりがいを記載
社内イベントの様子 人間関係や社風を伝える 自然な表情が鍵

とくに若年層は「どんな仲間と働くか」を重視する傾向があります。

働くイメージを視覚で伝える工夫をすることで、応募のハードルを下げることができるでしょう。

 

建設業の求人応募数を増やす戦略的な採用手法

建設業界で求人応募数を増やすには、従来の手法に頼るだけでは不十分です。

ここでは、建設業の求人応募数を増やす戦略的な採用手法について解説します。

有料媒体の活用で掲載効果を高める

無料求人サイトやハローワークだけでは、求職者の目に留まる確率が下がってきています。

特に若年層は、使い慣れたスマートフォンからアクセスしやすく、検索性の高い有料求人媒体を重視する傾向があります。

有料媒体では、検索上位に表示される、掲載内容を柔軟にカスタマイズできる、写真や動画で訴求できるといったメリットがあります。

また、特定の職種に特化した専門媒体を選べば、ミスマッチも減り、質の高い応募が期待できます。

たとえば、以下のような媒体が挙げられます。

媒体名 特徴 掲載料金目安
建設業界専用求人サイト(例:建築求人.jp) 施工管理や現場系職種に強い 10万円〜(4週間)
大手総合求人サイト(例:Indeed有料枠) 検索数が多く、広告運用も可能 1クリックあたり30〜200円

媒体ごとに得意分野が異なるため、複数を併用し、PDCAを回すことが重要です。

採用条件を最低限にし、間口を広げる

応募が来ない大きな要因の一つに、採用条件が厳しすぎる点があります。

たとえば「要3年以上の経験」「○○資格保有者限定」など、条件を絞りすぎると、そもそも母集団が形成されません。

建設業界は人材不足が深刻です。即戦力を求めすぎるよりも、未経験者でも育成できる体制を整える方が、結果的に採用成功に繋がります。

間口を広げる工夫としては、以下のような対応が有効です。

  • 資格取得支援制度の導入
  • 研修期間中のサポート明記
  • 未経験歓迎の明記
  • 「人物重視」「チームでサポート」などの訴求

また、求職者にとって「やってみたい」と思えるきっかけを作ることで、応募への心理的ハードルを下げることも大切です。

条件緩和は、将来的な定着率にも好影響を与える可能性があります。

アウトソーシングで即戦力人材を確保

採用難が続く中で、自社採用だけに頼るのはリスクが高まっています。

そんな時に有効なのが、採用アウトソーシング(RPO)や人材派遣会社の活用です。

とくに、即戦力が求められる現場や短期プロジェクトでは、派遣や契約社員の導入が効率的です。

アウトソーシングのメリットは以下のとおりです。

メリット 内容
スピード採用 求人掲載〜面接〜就業開始までが短い
ミスマッチの軽減 事前スクリーニングがあるため、精度の高い人材が来る
管理の手間が軽減 給与計算や勤怠管理はアウトソーシング先が担当

ただし、費用面は慎重に検討する必要があるため、長期雇用を目指す場合は並行して正社員採用も進めることが望ましいです。

広報活動で認知度アップを図る

知名度がない中小建設企業では、求人媒体に掲載しても埋もれてしまうケースが少なくありません。

そのため、企業としてのブランディングや広報活動に力を入れることが重要です。

たとえば、自社サイトやSNSで現場の雰囲気、社員の働き方、会社の価値観などを発信することで、応募前に企業の魅力を伝えることができます。

実際に、インスタグラムやYouTubeでの動画活用が若年層を中心に好評です。

現場の一日の流れや社員インタビューを公開するだけでも、「どんな職場か分かって安心できる」という声が多く寄せられます。

また、地域の合同企業説明会への出展や、建設業専門のマッチングイベントなどにも積極的に参加することで、認知度と信頼感の向上を同時に狙うことが可能です。

女性や若年層へのアプローチ強化

建設業界における若年層・女性の就業者数は依然として低水準ですが、人材不足解消にはこの層の獲得が不可欠です。

特に「建設業=男社会・力仕事」という古いイメージが根強く、敬遠されがちです。そこで、女性や若者に配慮した採用訴求が求められます。

たとえば、以下のようなアプローチが効果的です。

  • 軽作業・設計・CADオペレーター職などの分野別PR
  • 時短勤務、産休・育休制度、女性専用設備の整備
  • 先輩女性社員の声やインタビュー記事の掲載
  • 職場の清潔感や人間関係の良さをビジュアルで訴求

また、若年層に対しては、「キャリアアップの道筋があること」「資格取得支援があること」「やりがいのある仕事であること」など、将来像を描けるメッセージが重要です。

国交省も「もっと女性が活躍できる建設業へ」という取り組みを進めており、制度的な後押しもあるため、企業側の積極的な対応が求められます。

 

まとめ

今回の記事では、建設業の求人について解説しました。

求人が来ない原因を見直し、仕事内容や待遇を具体的に伝えることで応募数は変わります。

まずは求人票の改善から始めてみましょう。

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